長男の嫁が介護を拒否する理由は何?両親の面倒を見るのが嫁の務め?

夫婦の悩み解決

お父さんが、お母さんが、またはその両方が

四六時中介護が必要な状態になってしまった・・・。

そんな時、あなたはご両親の“これから”についてどう考えますか?

 

今現在、ご両親がお元気で、仕事もしていて、

地域で問題なく活動できていたとしても!

人生いつ何が起こるかわかりません。

 

私の仕事柄、つい先日まで元気だった方が、

脳出血や脳梗塞を発症し、

急に介護が必要になった方を多く見てきました。

 

自分にはまだ先の話だと思っているあなた!

これは、他人事ではないのです。

 

もし、ご両親が要介護状態になってしまったとしたら。

「施設に入れるのも可哀そうだし、自分には仕事があるし、

兄弟は遠方だし・・・・嫁に面倒見てもらうのが一番だな。」

なんて考えてしまっていたら、それは危険です!

 

その理由と、ご両親と奥様の間をうまく

立ち回る秘訣をまとめてみました。

 

なぜ危険なのかなんとなくわかる方も、

危険な理由がまったく見当がつかない方も、ぜひご覧ください。

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長男の嫁だからと介護を押し付けられるのは迷惑

実は、『長男の嫁』というフレーズは、

女性であればできるだけ敬遠したい言葉の一つです。

なぜなら、大変な立場だというイメージが色濃いからです。

 

長男が、家の財産や稼業を継いでいた昔の日本では、

長男の嫁が家に入り、親の介護をするのは当然!

という世の中の風潮があったのは事実です。

 

しかし、平成も終わりを告げようとしている今の時代。

長男の嫁が親の介護をするのが当然だという方がいれば、

それは少し古い考えの持ち主だと言わざるを得ないでしょう。

なぜなら、長男の嫁に、夫の両親に対する扶養義務はないからです。

次男の嫁、三男の嫁も同様です。)

扶養義務は、ご両親の実の子どもたちにあるのです。

 

ですから、ご両親の介護が必要になった場合、

あなたは奥様ではなく、まずご兄弟と相談する必要があります。

 

もし、夫のご両親の介護をしている奥様がいたとしたら、

それは義務ではなく好意で介護をしてくれているということになるんです。

 

また、今の時代は核家族も多く、共働き世帯は実に6割を占めます。

(2016年調査結果 非労働力人口を除いた場合)

 

あなたが会社で、職場の一員として仕事を任されているのと同様に、

働きに出ている奥様は、たとえパートであっても、短時間の勤務であっても、

会社の一員として立派に任された仕事を持っています。

 

そんな奥様に、仕事もしながら(もしかしたら育児もしながら)、

親の介護も頼むことができますか?

 

あなたが、何の努力もなしに奥様に

ご両親の介護を頼もうと思っているのなら、

それは奥様にとって “迷惑” と取られても仕方のないことなのです。

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介護を拒否するのは過去の因縁から

長年連れ添ってきたご夫婦であればあるほど、

数えきれないくらいの喜びと、そして、

それと同じ位の因縁が燻ぶっていても、

何もおかしくはありません。

 

もともと、違う環境で育ってきた男女なのですから、

考え方や価値観が違うのは当然ですし、

それは結婚して次第に分かり合って、すり合わせていくものです。

 

ですが、実際、因縁が解消されないまま、

夫婦として年を重ねているご夫婦も多いのです。

 

例えば・・・

「子どもが小さくて大変な時期に、ゴミ出しの一つも手伝ってくれなかった」

「出産で里帰り中に、前付き合っていた女性と会っていた」

 

「自分は会社の帰りにしょっちゅう飲み会に行くくせに、

私が友達と食事に行くときはいい顔をしない」

 

「節約を毎日頑張っているのに、

家計のことは考えずに車や趣味にお金をかける」

 

「お義母さんに子育てのことで注意されている時に

私の味方をしてくれなかった」

 

「自分たち家族の家を建てたかったのに、

義両親の意向で同居することになった」

 

「私の親が病気の時、あなたの両親は見舞いにも来なかった」

 

「義母にお金が必要で困っていたから貸したのに、

いつまでたっても返ってこない」

などなど。

あなたが、何の努力もなしに

あなたのご両親の介護を奥様にお願いしようものなら

ご夫婦間、また義両親との関係の中に荒波を立てまいと、

奥様が我慢してきたことが

 

「あのときあなたはこうしてくれなかったじゃない!」

 

「あのとき義両親にこんなことをされたのよ!」

 

と、奥様が抱えてきた“あなた”と“あなたのご両親”に

対する因縁が噴出してしまうのです。

小さなことかもしれません。

 

ですが、奥様の中では小さくなることはあっても、

その因縁が消えることはないのです。

因縁の相手の介護、あなたならやりたいと思いますか?

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あなたが介護すればと言われたらできますか?

『介護』と聞いて、その内容はイメージできますか?

実は、介護というのは幅も広ければ奥も深いものなのです。

 

たとえ因縁のない相手であっても、子どものそれとはわけが違います。

まず、在宅での介護で欠かせない生活援助から見ていきましょう。

 

食事の準備(普通の固さや大きさの物は食べられないので工夫が必要)

 

家の掃除(リビングだけでなく、キッチンやお風呂、トイレもですよ!)

衣類の洗濯や管理(ご両親の冬物の場所知っていますか?)

 

買い物(おむつやゴム手袋、おしりふきなんかも結構かさばります)

 

ゴミ出し(各種ゴミを出せる曜日は知っていますか?)

 

受診の付き添い、往診の対応(かかりつけの先生知っていますか?薬局は?)

次に、介護のイメージとして定着している身体的な介護についてです。

 

朝の整容(顔を拭いたり、ひげを剃る)

食事の介助(噛んで飲み込む、スムーズにいくのが当たり前のことではありません。)

服薬の介助(口の中に薬が残っていないかの確認も必要ですよ!)

歯磨きの介助(うがいができなくなったら、綺麗に拭きます)

ベッドから車いす(腰に負担がかかります。転倒や座り込みにも注意して慎重に。)

入浴の介助シャワーだけでなく浴槽に入れてあげられますか?)

着替えの手伝い(麻痺があった場合、袖を通すのも大変なことがあります。)

 

自分で寝返りできなければ、体位変換(普通のマットであれば2、3時間おきです。)

 

そして排泄介助、おむつ交換(・・・できますか?)

イメージできましたか?

一日三食用意して、体の向きを定期的に変えて、排泄のお手伝いをする・・・

 

自分の時間が確保できますか?

仕事をしながら、この量の家事、そして介護ができるでしょうか?

 

冒頭のあなたは、この一連の介助を、

ご自分の奥様に中心になってやってもらおうと思っていたわけです。

 

施設に入れるのは可哀そうだから、

家に他人が入るのを親が嫌うから、

やっぱり嫁に親の介護をしてもらおう!

なんて言っていられなくなりますよね?

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まとめ

長男の嫁だからという理由で、

奥様があなたの親の介護を

率先して行う必要はありません。

 

まずは、兄弟間で話し合うことが大切です。

兄弟間で話し合った結果、

あなたの奥様の協力が必要であれば、

頭を下げてお願いしましょう。

(もし、協力が得られない場合でも決して批判しないでくださいね)

 

夫婦間、またはあなたと奥様の間に

“因縁”は多かれ少なかれ存在すると思っていてください。

 

今できることは、これから因縁をできるだけ作らないことです!

ご両親が大切なのはわかります。

 

でも、奥様の前では奥様の意見や考え方を尊重することも大切です!

感謝の言葉はこまめにかけていけたらいいですね!

 

そして、介護に関してですが、

家で看ることが必ずしも正しく、良い選択ではありません。

 

今は介護保険制度がありますので、

市役所や近くの居宅介護支援事業所に相談してみてください。(無料です)

 

介護をする家族にも、自分の時間や休日は必要です。

介護サービスを上手に使いながら、

ご両親、あなた、そしてあなたの奥様も納得する

介護ライフが送れることを祈っています。

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